フライング・ヒューマノイドとは
フライング・ヒューマノイドは、人のような形をしたものが、翼もないのに空中に浮かび、漂うように飛んでいるという未確認飛行物体・生物です。英語で「空飛ぶ人型(の存在)」という意味で、日本ではテレビ番組や雑誌を通じて広く知られるようになりました。UFO(未確認飛行物体)とUMA(未確認動物)の中間のような存在として語られることが多いのが特徴です。
多くの場合、遠くの空に黒っぽい人影のようなものが浮かび、手足を垂らしたまま、ゆっくりと流れていく様子が報告されます。頭と胴体、手足がそろった「人の形」に見えることから、宇宙人、空を飛ぶ未知の生物、あるいは幽霊のような存在ではないかと、さまざまな想像をかき立ててきました。
メキシコで相次いだ目撃と映像
フライング・ヒューマノイドが大きな話題になったのは、1990年代の終わりから2000年代にかけてのことです。特にメキシコでは、首都メキシコシティの上空などで、人の形をした物体を撮影したとする映像が次々と撮られ、テレビ番組で繰り返し紹介されました。メキシコは当時、UFOの目撃や映像がとても多い国として知られており、フライング・ヒューマノイドもその流れの中で注目を集めました。
2004年には、メキシコ北部のヌエボ・レオン州で、夜間に勤務していた警察官が「魔女のような姿の黒い人影が空から降りてきた」と証言し、ニュースとして報じられたこともあります。この出来事は、地元では「魔女」の話として語られ、フライング・ヒューマノイドの目撃談の一つとして紹介されるようになりました。
世界に広がった「空飛ぶ人影」
メキシコでの映像が知られるようになると、アメリカや南米、ヨーロッパなど世界各地からも、よく似た人型の飛行物体の映像や写真が寄せられるようになりました。動画投稿サイトの普及によって、だれもが撮影した映像をすぐに公開できるようになったことも、目撃が広がった理由の一つです。
日本でも、テレビの特集番組でメキシコの映像が繰り返し放送され、「空を飛ぶ謎の人型生物」として知られるようになりました。翼を持つ人型のUMAとしては、アメリカのモスマンやイギリスのオウルマンがいますが、フライング・ヒューマノイドは翼がなく、ただ浮かんで漂っているように見える点が大きく違います。
フライング・ヒューマノイドの正体は?
正体として最も有力なのは、人の形をした風船や、パーティー用のバルーン、凧、大きなビニール袋などが、風に流されているところを撮影したという説です。キャラクターや人の形をした風船は、イベントや祭りなどでよく使われており、ひもが切れて空へ飛んでいってしまうことも珍しくありません。
実際、映像の中のフライング・ヒューマノイドは、多くの場合、風の向きに合わせてゆっくりと流れており、自分の意思で方向を変えているようには見えません。また、手足の形が最初から最後までほとんど変わらないことも、生き物ではなく物体であることを示していると考えられています。
なぜ不思議な姿に見えるのか
空に浮かぶ物体は、比べるものがないため、大きさや距離を正しく判断するのがとても難しくなります。すぐ近くを飛ぶ小さな風船でも、遠くの空を飛ぶ巨大な物体のように見えてしまうことがあるのです。また、逆光で黒い影のように見えると、細かい形がわからなくなり、「人のような形」だけが強く印象に残ります。
さらに、ビデオカメラで遠くのものを拡大して撮影すると、画面が揺れたり、ピントが合わなかったりして、物体の輪郭がぼやけます。人の脳は、あいまいな形の中に人の顔や姿を見つけやすい性質(パレイドリア)を持っているため、ただの風船やごみ袋でも、手足を持つ人影のように見えてしまうことがあります。
目撃情報を見るときのポイント
フライング・ヒューマノイドのような映像を見るときは、物体が風の向きと同じ方向に動いているか、形が変わらないか、近くに比べるもの(建物や木など)が写っているかを確かめると、正体を考える手がかりになります。空飛ぶ謎の物体の話としては、スカイフィッシュのように、カメラの仕組みが生んだ「UMA」の例もあります。





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