ノルディックとは
ノルディックは、背が高く、長い金髪と青い目を持ち、北欧(ノルディック)の人々によく似た姿をしているとされる宇宙人のタイプです。人間とほとんど見分けがつかず、整った顔立ちの美しい若者の姿で語られることが多いのが特徴です。現在よく知られる、灰色の肌で大きな黒い目をした小柄なグレイとは対照的な宇宙人として紹介されます。
アダムスキーと「金星人」
ノルディックのイメージを広めたのが、1950年代のアメリカで、宇宙人と会って話をしたと語った「コンタクティー」と呼ばれる人々です。中でも有名なのが、ジョージ・アダムスキーです。アダムスキーは、1952年11月20日、カリフォルニア州の砂漠で、空飛ぶ円盤から降りてきた金星人と出会ったと語りました。その金星人は、肩までの長い金髪を持つ、穏やかな表情の若い男性の姿だったといいます。
アダムスキーによると、金星人は、地球の人類が核兵器の実験を続けていることを心配し、平和の大切さを伝えに来たといいます。この話は本になって世界中で読まれ、日本でもUFOブームのきっかけの一つになりました。
「宇宙の兄弟」としてのノルディック
1950年代は、アメリカとソ連が核兵器の開発を競い合う冷戦の時代でした。コンタクティーたちが語る宇宙人の多くは、人類よりはるかに進んだ文明を持ち、戦争や核兵器の危険を警告して、平和と愛を説く「宇宙の兄弟(スペース・ブラザーズ)」として描かれました。核戦争への不安が高まる中で、人々が「空から来る救い手」を思い描いたことが、こうした宇宙人像に表れていると考えられています。
1970年代には、スイスのコンタクティーが、プレアデス星団から来た人間そっくりの宇宙人と交流していると主張し、UFOの写真を公開して話題になりました。こうした「プレアデス星人」も、ノルディックの仲間として語られます。
グレイの時代とノルディック
1960年代以降、宇宙人に連れ去られたというアブダクションの体験談が増えると、宇宙人の主役は、冷たく無表情なグレイに移っていきました。それでも、アブダクションの体験談の中に、背の高い金髪の宇宙人が、グレイたちを指揮していた、あるいは体験者を助けてくれた、と語られることもあります。
映画の中の「人間そっくりの宇宙人」
人間そっくりの姿で、人類に核の危険を警告しに来る宇宙人というイメージは、同じ時代の映画にも見られます。1951年のアメリカ映画『地球の静止する日』では、空飛ぶ円盤で首都ワシントンに降り立った、人間と見分けのつかない宇宙人が、人類に争いをやめるよう警告します。コンタクティーたちの語る「宇宙の兄弟」の姿は、こうした映画や小説が描いた宇宙人像と重なり合いながら、人々の心に広まっていったと考えられます。
ノルディックをめぐる受け止め方
アダムスキーの写真や体験談については、模型などを使った作り物ではないかという指摘が早くからあり、金星は表面温度が400度を大きく超える、生き物の住めない惑星であることも、のちの探査で確かめられました。また、「優れた宇宙人は白人の姿をしている」という描き方には、当時の社会の偏った見方が反映されているという批判もあります。宇宙人のタイプとしては、ほかに爬虫類の姿のレプティリアンや、カマキリのような姿のマンティスマンも語られています。





コメント(0)
まだコメントはありません。伝承や目撃談の補足、感想など、最初のコメントを書いてみませんか?