ニューネッシーとは
ニューネッシーは、1977年にニュージーランド沖で日本のトロール漁船「瑞洋丸」の網にかかった、正体不明の巨大な生物の死骸です。首長竜のような姿だったことから、ネス湖のネッシーにちなんで「ニューネッシー」と呼ばれました。
ニューネッシーは、日本で大きなブームを巻き起こし、「首長竜は生きていたのか」と多くの人を夢中にさせました。日本人がかかわったUMA騒動として、今も語り継がれている出来事です。
網にかかった巨大な死骸
1977年4月、ニュージーランドのクライストチャーチ沖で漁をしていた瑞洋丸が網を引き揚げると、腐りかけた巨大な生き物の死骸がかかっていました。死骸は体長約10m、重さは約2トンもあり、長い首と小さな頭、4枚の大きなひれのようなものがあったとされます。
死骸はひどく腐っていて、強い悪臭を放っていたため、ほかの魚が傷んでしまうことを恐れた船長の判断で、海に戻されることになりました。ただし、その前に乗組員が死骸の写真を撮影し、スケッチを描き、ひれの一部の繊維を持ち帰りました。
日本中が大騒ぎに
同じ年の7月、死骸の写真が新聞に大きく掲載されると、日本中が大騒ぎになりました。写真に写った首の長い姿が、恐竜の時代に海を泳いでいた首長竜にそっくりだったからです。新聞やテレビは連日のようにニューネッシーを報じ、「首長竜の生き残りではないか」という期待が高まりました。
首長竜は、恐竜と同じ時代の海にすんでいた大型の爬虫類で、約6600万年前に絶滅したと考えられています。もし生き残りが見つかれば、世紀の大発見になるはずでした。
繊維の分析
持ち帰られたひれの繊維は、日本の研究者たちによって詳しく分析されました。繊維の成分を調べた結果、サメの仲間のひれに含まれる成分とよく似ていることがわかりました。また、写真やスケッチをもとに、さまざまな研究者が死骸の正体について検討を行いました。
正体はウバザメ?
こうした分析から、ニューネッシーの正体は、大型のサメの一種であるウバザメの死骸だという説が有力になりました。ウバザメは、体長が10mにもなる世界で2番目に大きな魚で、プランクトンを食べるおとなしいサメです。
ウバザメの死骸が腐っていくと、まず、あごやえらの部分が崩れて落ちてしまいます。すると、背骨の先に小さな頭蓋骨だけが残り、細長い首のように見えるのです。さらに、尾びれの下の部分も崩れ落ちるため、長い尾を持つ生き物のようにも見えます。こうして、腐ったウバザメの死骸は、首と尾の長い首長竜のような姿になってしまうのです。
世界の「首長竜の死骸」
腐ったウバザメの死骸が、首長竜や海の怪物と間違えられた例は、ニューネッシーのほかにもあります。1808年には、スコットランドのストロンゼー島に、首の長い奇妙な生き物の死骸が打ち上げられ、「海の大蛇」として話題になりましたが、のちにウバザメの死骸だったと考えられています。腐敗した動物の死骸は、もとの姿がわかりにくくなるため、モントーク・モンスターのように、UMAの正体として騒がれることがよくあるのです。
ニューネッシーが残したもの
ニューネッシーの正体はウバザメである可能性が高いと考えられていますが、死骸そのものが残っていないため、完全に確かめることはできません。その「わからなさ」が、ニューネッシーを今も魅力的な謎にしているのです。ニューネッシー騒動は、日本の人々が海の未知の生き物に夢を見た時代の思い出として、語り継がれています。





その後、船長はボロクソ言われたそう・・・
とはいえ、そのまま船に乗せたら取った魚が全部だめになって数百万のマイナスになるから、仕方なく捨てたようです。