御木国とは
御木国(みきのくに)は、奈良時代に完成した歴史書『日本書紀』に登場する地名で、現在の福岡県大牟田市周辺、三池の地にあたると考えられています。この地名は、とてつもなく巨大な木の伝説に由来するとされます。
『日本書紀』の巨木伝説
『日本書紀』の景行天皇の条によると、九州を巡っていた景行天皇が筑紫の御木という地に着いたとき、そこには一本の巨大な倒木が横たわっていました。その長さは970丈(約3km)にもなり、役人たちはその木の上を歩いて行き来していたといいます。
天皇が「これは何の木か」と尋ねると、土地の老人が「これは歴木(くぬぎ)という木です。昔まだ倒れていなかったころは、朝日に照らされると影が杵島山(佐賀県)を隠し、夕日に照らされると阿蘇山(熊本県)を覆いました」と答えました。天皇は「これは神聖な木である。この国を御木国と名付けよ」と言ったと記されています。
巨木伝説と都市伝説
同じような巨木の伝説は、『筑後国風土記』や『肥前国風土記』などにも見られ、九州各地には、巨大な楠やクヌギの影が遠くの山まで届いたという話が残っています。こうした伝説は、古代の人々が抱いていた大木への畏れや信仰を表していると考えられます。
インターネット上では、こうした巨木伝説をもとに、「太古の地球には山よりも大きな樹が生えていて、現在の山や岩山はその切り株の名残だ」といった都市伝説も語られています。もちろん科学的な根拠はありませんが、北欧神話の世界樹ユグドラシルにも通じる、壮大なロマンを感じさせる話として人気を集めています。



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