ビッグフットとは
ビッグフットは、アメリカやカナダの太平洋岸などの深い森にすむとされる、全身が毛に覆われた大型の類人猿のような未確認動物(UMA)です。身長は2〜3mにもなり、二本足で歩き、強い体臭を放つともいわれます。カナダでは「サスカッチ」の名でも知られています。ヒマラヤのイエティと並ぶ、獣人型UMAの代表格です。
北アメリカの森では、今も毎年のように目撃談が報告され、ビッグフットを探す愛好家の団体も数多くあります。ここでは、名前の由来、有名な足跡と映像、そして科学的な調査の結果を紹介します。
先住民の伝承と「サスカッチ」
北アメリカ太平洋岸の先住民の間には、森にすむ毛深い巨人の伝承が古くから伝わっていました。「サスカッチ」という呼び名は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の先住民の言葉がもとになっており、20世紀前半にカナダの教師が新聞記事などで紹介したことで広まったとされています。
1958年の巨大な足跡
「ビッグフット(大きな足)」という名前が広まったのは、1958年のことです。カリフォルニア州北部ブラフ・クリークの森で道路工事をしていた作業員が、長さ40cmほどもある人間のような巨大な足跡を見つけ、その石こう型を持った写真が新聞に掲載されました。この記事で使われた「ビッグフット」という呼び名が、たちまち全米に広がりました。
ところが2002年、この工事現場の責任者だった男性が亡くなると、その家族が「父は木を彫って作った大きな足型を使い、いたずらで足跡をつけていた」と明かしました。最初の足跡騒動は、いたずらだった可能性が高いと考えられています。
パターソン・ギムリン・フィルム
ビッグフットの最も有名な「証拠」が、1967年10月に同じブラフ・クリークで撮影された約1分の映像です。撮影者2人の名前から「パターソン・ギムリン・フィルム」と呼ばれ、川辺を大股で歩く毛むくじゃらの大きな生き物が、途中でこちらを振り返る場面が写っています。
この映像は、本物か着ぐるみかをめぐって、半世紀以上にわたり議論が続いてきました。のちに「自分が着ぐるみを着て歩いた」と名乗り出た人物もいますが、確かな決着はついていません。歩き方が人間とは違うとする意見がある一方、当時の技術でも十分に作れるとする指摘もあります。
DNA調査でわかったこと
2014年には、イギリスの遺伝学者らのチームが、世界各地から集められた「獣人の毛」とされる標本のDNAを調べた結果を発表しました。アメリカから集められたビッグフットの毛とされるものは、クマ、オオカミ、ウシ、ウマ、人間など、すでに知られている動物のものばかりでした。
ビッグフットのような大きな動物が群れで暮らしていれば、骨や死体、交通事故の記録などが見つかるはずですが、そうした証拠はいまだに見つかっていません。目撃談の多くは、後ろ足で立ち上がったクマを見間違えたものと考えられています。
ギガントピテクス説
ビッグフットの正体として語られることがあるのが、かつてアジアにすんでいた巨大な類人猿「ギガントピテクス」の生き残りという説です。ギガントピテクスは身長3mに達したとも推定される最大級の類人猿ですが、化石が見つかっているのは中国や東南アジアで、数十万年前に絶滅したと考えられています。北アメリカで化石が見つかったことはなく、この説を支える証拠はありません。
文化の中のビッグフット
アメリカ北西部ワシントン州のある郡では、1969年に「ビッグフットを殺すことを禁じる条例」が作られたこともあり、話題を呼びました。ビッグフットは今では北アメリカを代表するキャラクターとして、映画や広告、お土産などにたびたび登場しています。オーストラリアのヨーウィー、中国のイエレン、アメリカ南部のスカンクエイプなど、世界各地に似た獣人の伝承があることも興味深い点です。







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