チュパカブラとは
チュパカブラは、ヤギなどの家畜を襲い、首にあけた小さな穴から血を吸うとされる未確認動物(UMA)です。スペイン語で「ヤギ(カブラ)を吸う(チュパ)もの」という意味です。1990年代にカリブ海のプエルトリコで騒ぎになり、その後、中南米やアメリカに広まって、世界的に有名なUMAになりました。
チュパカブラの話は、比較的新しい時代に生まれ、テレビやインターネットを通じて急速に広まった「現代のUMA」の代表例として知られています。
1995年のプエルトリコ騒動
1995年、プエルトリコの各地で、ヤギやニワトリ、ウサギなどの家畜が、首などに小さな穴をあけられ、血を抜かれたような状態で死んでいるのが相次いで見つかりました。人々は「正体不明の怪物のしわざだ」と恐れ、新聞やテレビも連日のように騒ぎを報じました。
この年の夏、プエルトリコ東部の町で、怪物を見たという女性の目撃談が報じられました。それによると、生き物は身長1mほどで、大きな黒い目を持ち、二本足で立ち、背中にはとげのようなものが並んでいたといいます。この証言をもとに描かれた絵が、チュパカブラの代表的な姿として広まりました。
世界に広がったチュパカブラ
チュパカブラの噂は、プエルトリコからメキシコ、中南米の国々、アメリカ南部へと一気に広がりました。各地で家畜の不審な死が報告されるたびに、チュパカブラのしわざだと語られるようになり、新聞やテレビ、インターネットを通じて、その名前は世界中に知られるようになりました。
プエルトリコでは、1970年代にも家畜が血を抜かれて死んでいる事件が起き、「モカの吸血鬼」と呼ばれて話題になったことがありました。チュパカブラの話は、そうした過去の噂とも結びついて広がっていったと考えられます。
姿を変えたチュパカブラ
2000年代に入ると、アメリカのテキサス州などで「チュパカブラの死骸を見つけた」という報告が相次ぎました。ところが、その姿は、最初の目撃談とはまったく違っていました。毛がほとんどなく、灰色の皮膚をした、四本足で歩く犬のような動物だったのです。
こうした死骸を専門家がDNAなどで調べたところ、その多くは、皮膚病の一種である疥癬(かいせん)にかかって毛が抜け落ちたコヨーテや野犬、アライグマなどであることがわかりました。疥癬にかかった動物は、毛が抜けて皮膚が厚くなり、弱って狩りができなくなるため、人里に近づいて家畜を襲うことがあります。
最初の証言と映画
アメリカの研究者は、1995年の最初の目撃証言を詳しく調べ、証言された生き物の姿が、同じ年に公開されたSF映画に登場する怪物とよく似ていることを指摘しました。目撃者はその映画を見ていたと語っており、映画の怪物のイメージが、目撃の記憶に影響した可能性があると考えられています。
家畜の死の本当の原因
「血を抜かれた」とされた家畜の死についても、野犬などに襲われた傷や、死後に体の血液が下の方にたまって外からは見えにくくなる現象などで説明できると考えられています。小さな穴のような傷は、犬などの牙の跡とみられています。
現代のUMAとしてのチュパカブラ
チュパカブラは、テレビとインターネットの時代に、噂がどのように生まれ、形を変えながら広がっていくのかを示す例といえます。家畜が不思議な死に方をする話としては、アメリカで1970年代から語られてきたキャトルミューティレーションもよく知られています。血を吸う怪物という点では、ヨーロッパの吸血鬼の伝説ともつながる存在です。







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