ゴーレムとは
ゴーレムは、ユダヤ教の伝承に登場する、泥や土をこねて作られた人の形をした存在です。ヘブライ語で「未完成のもの」「形のないかたまり」を意味する言葉に由来します。神の名や聖なる文字の力によって命を与えられ、作った者の命令どおりに力仕事などをしますが、話すことはできないとされます。
「emeth(真理)」と「meth(死)」
よく知られた言い伝えでは、ゴーレムの額には「emeth(エメト=真理)」というヘブライ語が書かれていて、そこから最初の一文字を消すと「meth(メト=死)」となり、ゴーレムは動かなくなって土に戻るといいます。ほかに、口の中に神の名を書いた紙を入れて動かすという話もあります。こうした文字の力の考え方は、ユダヤ神秘主義のカバラと深く結びついています。
プラハのゴーレム伝説
最も有名なのは、16世紀のプラハ(現在のチェコの首都)に住んでいた高名なラビ(ユダヤ教の指導者)、イェフダ・レーヴ・ベン・ベツァレルの伝説です。迫害からユダヤ人の街を守るため、ラビ・レーヴはヴルタヴァ川の泥でゴーレムを作ったといいます。しかしゴーレムはやがて暴れ出したため、ラビは命を抜き、その体はプラハの旧新シナゴーグの屋根裏に隠された、と語られています。
ただし、この話がラビ・レーヴと結びつけて語られるようになったのは、主に18〜19世紀以降のことだと考えられています。
ロボットとゲームの元祖
人の手で作られ、やがて制御できなくなるゴーレムの物語は、フランケンシュタインや、チェコの作家カレル・チャペックの戯曲で「ロボット」という言葉を生んだ『R.U.R.』などにも通じるテーマです。錬金術の人造人間ホムンクルスと比べられることもあります。現代では、ファンタジーRPGの岩や土の巨人モンスターとしておなじみです。





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