ホムンクルスとは
ホムンクルスは、ヨーロッパの錬金術で、人工的に作り出されると考えられた小さな人間です。ラテン語で「小さな人」を意味します。フラスコ(蒸留器)の中で生まれ、外に出ると生きられないとされることから「フラスコの中の小人」とも呼ばれます。
パラケルススとホムンクルスの作り方
ホムンクルスの作り方は、16世紀スイス出身の医師・錬金術師パラケルススの著作とされる『物の本性について』に記されています。それによれば、人間の精液を蒸留器に密閉して馬糞の中で40日間温めると、透明な人の形をしたものが現れ、これに人間の血を与えて40週間同じ温度で育てると、小さな人間になるといいます。
こうして生まれたホムンクルスは、生まれながらにあらゆる知識をもっているとされました。もっとも、この書物が本当にパラケルスス本人の手によるものかについては、研究者の間でも疑問が出されています。パラケルススは四大精霊(シルフ・ウンディーネ・サラマンダー・ノーム)の考え方を広めた人物としても知られています。
ゲーテ『ファウスト』のホムンクルス
ホムンクルスを有名にしたのが、ドイツの文豪ゲーテの戯曲『ファウスト』第二部(1832年)です。ファウストの弟子ワーグナーが錬金術でフラスコの中に作り出したホムンクルスは、知恵はあるものの肉体をもたず、本当の存在になることを求めて旅をし、最後は海で砕けて生命の源に溶けていきます。
現代のホムンクルス
ホムンクルスは、人間が生命を作り出すことへの憧れと恐れを象徴する存在として、漫画やアニメ、ゲームなど多くの作品に登場します。また、脳科学では、脳のどの部分が体のどこに対応しているかを人の形で表した図を「ホムンクルス(ペンフィールドのホムンクルス)」と呼ぶなど、学術用語としても名前が残っています。





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