フランケンシュタインとは
『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』は、イギリスの作家メアリー・シェリーが1818年に匿名で発表した小説です。主人公のヴィクター・フランケンシュタインは、スイス出身の若い科学者で、生命の秘密を解き明かそうと、死体の部分をつなぎ合わせて新しい生命を作り出します。科学の力で人造の生命を生み出すという設定から、SF小説の元祖ともいわれます。
フランケンシュタインは怪物の名前ではない
よく誤解されますが、「フランケンシュタイン」は怪物ではなく、怪物を作った科学者の名前です。小説の中で、怪物には名前がなく、「怪物」「被造物」などと呼ばれています。怪物は、そのみにくい姿のために創造主のヴィクターにも見捨てられ、人々から追われる中で孤独と憎しみをつのらせ、やがてヴィクターの家族や大切な人々に復讐していきます。
頭に四角い形とボルトをもつ有名な怪物の姿は、1931年のアメリカ映画『フランケンシュタイン』で俳優ボリス・カーロフが演じた特殊メイクに由来するもので、原作には描かれていません。
ディオダティ荘の怪談会
この小説が生まれたのは、1816年の夏のことです。その年はヨーロッパが異常な冷夏に見舞われた「夏のない年」で、メアリー(当時18歳)は、のちに夫となる詩人パーシー・シェリーとともに、スイスのジュネーヴ湖畔にある詩人バイロンの別荘「ディオダティ荘」に滞在していました。雨で外に出られない日が続く中、バイロンが「一人一つずつ怪談を書こう」と提案し、そこからメアリーが書き始めたのがこの物語でした。
同じ怪談会では、バイロンの主治医ポリドリが小説『吸血鬼』を書き、のちの吸血鬼文学に大きな影響を与えました。一夜の遊びから、二つの怪物の物語が生まれたことになります。
フランケンシュタインが残したもの
当時は、電気で死んだカエルの脚が動く実験(ガルヴァニズム)が話題になっており、科学が生命の謎に迫りつつあるという期待と不安が、この物語の背景にあったと考えられています。人間が命を作り出すことの責任を問うテーマは、錬金術のホムンクルスの伝説にも通じ、AIや生命科学が発達した現代でも、くり返し語り直されています。





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