フンババとは
フンババ(シュメール語ではフワワ)は、世界最古級の物語『ギルガメシュ叙事詩』に登場する怪物です。神々の王エンリルから、はるか西方にある「杉の森」の守護を任された番人で、その叫びは洪水のよう、口は火、息は死をもたらすと描かれています。
フンババの顔は、うねる内臓のような模様で表されることが多く、古代メソポタミアでは、羊の内臓を使った占いとも結びつけられていました。魔除けとして、フンババの顔をかたどった土製の面も見つかっています。
ギルガメシュとエンキドゥの戦い
名声を求めたウルクの王ギルガメシュは、親友エンキドゥの反対を押し切って杉の森へ向かい、フンババを倒すことを決意します。フンババは「メラム」と呼ばれる七つの恐ろしい光の衣をまとっていましたが、太陽神シャマシュが送った強い風によって身動きがとれなくなりました。
追い詰められたフンババは命ごいをしますが、エンキドゥの勧めでギルガメシュはフンババの首をはね、森の杉を切り倒して都へ持ち帰りました。しかし、神が任じた番人を殺したことが神々の怒りを買い、のちにエンキドゥが死ぬ原因の一つになったともいわれます。
杉の森はどこにあった?
物語の杉の森は、現在のレバノンやシリアの山地に広がっていたレバノン杉の森がモデルだと考えられています。木材の乏しいメソポタミアの人々にとって、杉は神殿や宮殿を建てるための貴重な資源でした。フンババ退治の物語には、遠い山の森から木材を手に入れる冒険の記憶が込められているのかもしれません。





コメント(0)
まだコメントはありません。伝承や目撃談の補足、感想など、最初のコメントを書いてみませんか?