ギルガメシュ叙事詩とは
ギルガメシュ叙事詩は、古代メソポタミア(現在のイラク周辺)で生まれた、文字で記録された世界最古級の物語です。主人公のギルガメシュは、実在した可能性のあるウルクの王で、「3分の2が神、3分の1が人間」とされる英雄です。紀元前2000年ごろにはシュメール語で書かれたギルガメシュの物語があり、それらをもとにアッカド語の長い叙事詩がまとめられました。
最もよく知られている版は、楔形文字で11(または12)枚の粘土板に刻まれたもので、19世紀半ばに古代アッシリアの都ニネヴェにあったアッシュルバニパル王の図書館の跡から発見されました。
ギルガメシュ叙事詩のあらすじ
若いころのギルガメシュは暴君で、ウルクの人々を苦しめていました。そこで神々は、ギルガメシュと同じほど強い野人エンキドゥを作り出します。二人は激しく戦ったのちに無二の親友となり、杉の森の怪物フンババを倒し、女神イシュタルが送り込んだ「天の牛」をも打ち倒しました。
しかし、神々の怒りを買ったエンキドゥは病に倒れて死んでしまいます。友の死に直面して死を恐れるようになったギルガメシュは、永遠の命の秘密を求めて、世界の果てに住む不死の人ウトナピシュティムを訪ねる長い旅に出ます。
ノアの方舟に似た大洪水の物語
ウトナピシュティムがギルガメシュに語ったのは、かつて神々が大洪水で人類を滅ぼそうとしたとき、神の忠告に従って大きな船を造り、家族と動物たちを乗せて生き延びたという話でした。船が山にとどまり、鳥を放って水が引いたかを確かめるところまで、旧約聖書の「ノアの方舟」とよく似ています。
1872年、大英博物館のジョージ・スミスがこの洪水の粘土板を解読して発表すると、聖書より古い洪水物語として世界中で大きな話題になりました。
不死の草と物語の結末
ギルガメシュは、海の底に生える若返りの草を手に入れますが、帰り道で水浴びをしている間に、蛇に草を食べられてしまいます。蛇が脱皮して若返るのはこのためだと語られます。不死を得られなかったギルガメシュは、ウルクの城壁を眺め、人が残す業績の価値を知って物語は終わります。死と向き合う人間の姿を描いたこの物語は、現代の小説やゲーム、アニメなどにも大きな影響を与えています。



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