魔女とは
魔女は、魔術や呪いの力で病気や不作、家畜の死などの災いをもたらすと信じられた人々のことです。ヨーロッパの民間では、薬草の知識を持つ女性や産婆、占いをする人などが、ときに「魔女」として恐れられました。とがった帽子に黒い服、ほうきで空を飛び、黒猫を連れているという姿は、民間伝承や近代の絵本・物語などで定着したイメージです。
魔女狩りと魔女裁判
15世紀後半から17世紀にかけて、ヨーロッパでは「魔女狩り」と呼ばれる大規模な迫害が起こりました。1486年ごろに出版された『魔女への鉄槌(マレウス・マレフィカルム)』は魔女の見分け方や裁き方を説き、魔女裁判を広める役割を果たしました。
魔女とされた人は、「悪魔と契約し、夜の集会(サバト)で悪魔を崇拝した」などの罪を着せられ、多くの場合は拷問で自白を強いられました。犠牲者の数は研究によって異なりますが、数万人が処刑されたと考えられており、その多くが女性でした。1692年にはアメリカのセイラムで魔女裁判が起き、19人が処刑されています。
ヴァルプルギスの夜とハロウィン
ドイツなどでは、4月30日の夜は魔女たちがブロッケン山に集まって宴を開く「ヴァルプルギスの夜」とされ、ゲーテの『ファウスト』にも描かれました。また10月31日のハロウィンでも、魔女は定番の仮装の一つです。
現代の「魔女」
20世紀以降、ヨーロッパの古い自然信仰を受け継ぐとする「ウィッカ」などの運動が生まれ、自らを魔女(ウィッチ)と名乗る人々もいます。また「魔女の宅急便」のような作品によって、魔女は恐ろしい存在から、親しみやすいキャラクターへとイメージを変えてきました。ちなみに、ぎっくり腰のことをドイツ語では「魔女の一撃」と呼びます。
イギリスの伝承に登場するハッグも、魔女や鬼婆のような老女の姿をした存在です。





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