ロズウェル事件とは
ロズウェル事件は、1947年にアメリカ・ニューメキシコ州ロズウェル近郊で、空から落ちてきた正体不明の残骸が見つかった出来事です。のちに「墜落したUFOと宇宙人の遺体を軍が回収し、隠している」という説が広まり、世界で最も有名なUFO事件となりました。
ロズウェルという地名は、今ではUFOや宇宙人の代名詞のように使われています。ここでは、事件の経過と、宇宙人回収説が広まった理由、そしてアメリカ空軍の説明を紹介します。
牧場で見つかった残骸
1947年6月から7月にかけて、ロズウェルの北西にある牧場で、牧場の管理人が、銀紙のような金属片や、ゴムのような素材、細い木の棒などの残骸が散らばっているのを見つけました。管理人がこれを地元の保安官に届け出たことから、近くのロズウェル陸軍飛行場の軍人が残骸を回収しました。
「空飛ぶ円盤を回収」と訂正
同じ年の6月、アメリカ北西部でケネス・アーノルドが謎の飛行物体を目撃したケネス・アーノルド事件が起き、「空飛ぶ円盤」という言葉が全米で話題になっていました。そんな中の1947年7月8日、ロズウェル陸軍飛行場は「空飛ぶ円盤を回収した」と発表し、新聞がこれを大きく報じました。
ところが翌日には、上層部が「回収したのは気象観測用の気球だった」と発表を訂正し、残骸の写真も公開されました。この訂正によって騒ぎはすぐに収まり、ロズウェルの出来事はその後30年ほどの間、ほとんど忘れられていました。
1970年代後半からの宇宙人回収説
事件が再び注目されるようになったのは、1970年代の終わりのことです。当時残骸の回収にかかわった元軍人が、「あれは気球などではなく、地球のものではない物体だった」と語ったことが、UFO研究家の調査によって紹介されました。
1980年には、作家のチャールズ・バーリッツらが、関係者の証言を集めた本を出版しました。その後も、「墜落現場で宇宙人の遺体を見た」「軍に口止めされた」といった証言が次々と紹介され、軍が墜落したUFOと宇宙人を回収して秘密の施設に運び、その事実を隠しているという説が、本やテレビ番組を通じて世界中に広まりました。
米空軍の調査報告書
こうした疑惑を受けて、アメリカ空軍は1990年代に調査を行い、報告書を公表しました。1995年の報告書では、ロズウェルで見つかった残骸は、ソ連の核実験を遠くから探知するために、気球にマイクを取りつけて高い空に上げる極秘の計画「プロジェクト・モーガル」のものだったと説明しました。極秘の計画だったため、当時は「気象観測用の気球」と発表したというのです。
1997年の報告書では、宇宙人の遺体を見たという証言について、1950年代に行われた、パラシュートの安全性を調べるために人形を高い空から落とす実験や、軍の航空機事故などの記憶が、何年もたつうちにロズウェルの出来事と混ざり合ったものだと説明しています。
「宇宙人解剖フィルム」の騒動
1995年には、「ロズウェルで回収された宇宙人の解剖を撮影した」とするフィルムが公開され、世界中で放送されて大きな話題になりました。しかし、のちにこのフィルムを公開した人物自身が、本物ではなく再現したものだったと認めています。ロズウェル事件は、このように、さまざまな話が付け加えられながら大きくなっていきました。
UFOの町ロズウェル
現在、ロズウェルにはUFOの博物館があり、毎年7月にはUFOフェスティバルが開かれて、世界中から多くの観光客が訪れます。米空軍の説明に納得しない人も多く、ロズウェルは今もUFO伝説の中心地となっています。宇宙人の遺体や技術をめぐる話は、ネバダ州のエリア51の噂とも結びついて語られています。近年は、アメリカ政府がUFOをUAP(未確認異常現象)と呼んで、改めて調査を進めています。




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