柳田國男は、日本の民俗学を切り開いた民俗学者です。農商務省の官僚を務めたのち、全国の村々に伝わる言い伝えや暮らしの習わしを調べ、記録しました。
1910年に出版した『遠野物語』は、岩手県遠野地方出身の佐々木喜善から聞き取った話をまとめたもので、河童や神隠し、座敷わらし、山男などの不思議な話が収められています。妖怪を「かつての神が零落した姿」ととらえる考え方を示した『妖怪談義』などもあり、日本の妖怪研究の基礎を築きました。
人物事典
柳田國男
やなぎたくにお
柳田國男に関わる図鑑項目
11件迷い家
まよいが
山の中で道に迷った人がたどり着くという、誰もいない立派な屋敷。中の物を持ち帰ると幸運に恵まれるという。柳田國男の『遠野物語』に、川上から流れてきた赤い椀で裕福になった女性の話が収められている。
子泣き爺
こなきじじい
老人の姿をしているのに、夜道で赤ん坊のような声で泣くという妖怪。かわいそうに思って抱き上げると、どんどん重くなって離れなくなり、命を奪われるともいう。徳島県の山間部に伝わり、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で鬼太郎の仲間として有名になった。
砂かけ婆
すなかけばばあ
人けのない森や神社の近くを通る人に、どこからともなく砂をばらばらと振りかけて驚かす妖怪。奈良県・兵庫県・滋賀県などに伝わる。姿を見た者はいないが、漫画『ゲゲゲの鬼太郎』で老婆の姿で描かれて有名になった。正体は狸ともいわれる。
一つ目小僧
ひとつめこぞう
顔の真ん中に大きな目がひとつある、子どもの姿の妖怪。関東地方などでは、2月8日と12月8日の「事八日」に家々を訪れるとされ、目の多い目籠を軒先に掲げて追い払う風習があった。
オシラサマ
おしらさま
東北地方の旧家でまつられてきた家の神。桑の木で作った馬の顔と娘の顔の一対の人形に、布を重ねて着せた姿をしている。『遠野物語』には、馬と娘の悲恋から蚕が生まれたという由来譚が記されている。