くねくねとは
くねくねは、田んぼや川原の遠くに現れる、白くて細長い人のような形のものが、くねくねと体をよじらせて動いているという怪異です。遠くから眺めているぶんには害はないものの、それが何なのかを「理解」してしまうと、精神に異常をきたしてしまうといわれています。
くねくねは、2000年代初めにインターネットの掲示板から広まった、いわゆる「ネット怪談」の代表的な存在です。昔からの伝承ではなく、ネットの時代に生まれ、多くの人の手で語り継がれてきた新しい怪談です。
よく知られた話
くねくねの話として最もよく知られているのは、次のような体験談です。夏休みに田舎の祖母の家に遊びに来た兄弟が、田んぼの向こうに、白い何かがくねくねと動いているのを見つけます。風もないのに、人の形をした白いものが、不自然に体をよじらせているのです。
気になった兄が双眼鏡でのぞくと、その顔からみるみる表情が消えていきました。弟が「何だったの?」と聞いても、兄は「わからない方がいい」とつぶやくばかりで、そのまま様子がおかしくなってしまった――という話です。
ネットの掲示板から広まった
くねくねの話は、2000年代初めごろから、インターネットの大型掲示板のオカルト系の場所に、体験談として投稿されるようになりました。最初の投稿のあとも、似たような体験談が次々と書き込まれ、田んぼだけでなく、海辺や川原などで見たという話も増えていきました。
多くの人が「自分も見た」「祖父母から聞いた」と書き込むことで、話は少しずつ形を変えながら広がっていきました。このように、インターネット上でみんなが話を付け加えていくことで育っていく怪談は、アメリカのスレンダーマンなどとも共通しています。
正体が語られない怖さ
くねくねの話の大きな特徴は、その正体が最後まで語られないことです。「見てはいけないものを見てしまった」「理解したらおしまい」という設定が、読む人の想像をかき立て、かえって強い怖さを生んでいます。何が怖いのかがはっきりしないからこそ、読む人が自分の中で一番怖いものを思い浮かべてしまうのです。
くねくねの正体の考察
くねくねの正体については、ネット上でさまざまな考察が行われてきました。田んぼに立つ案山子や、風に揺れるビニールシート、肥料の袋などの見間違いという説がその一つです。また、夏の暑い日に地面から立ちのぼる陽炎(かげろう)によって、遠くのものがゆらゆらと揺れて見える現象を怪異と思ったのではないか、という説もあります。
一方で、田の神や水の精霊、蛇などにまつわる民間信仰と結びつけて考える人もいます。田んぼや水辺は、昔から神様や不思議な存在がいると考えられてきた場所であり、そうした古い感覚が、新しい怪談の中に生きているのかもしれません。
ネット怪談の仲間たち
くねくねと同じように、インターネットの掲示板から広まった怪談には、背の高い女性の怪異八尺様や、存在しない駅に迷い込むきさらぎ駅、儀式めいた遊びのひとりかくれんぼなどがあります。いずれも田舎や駅など、身近な場所を舞台にしている点が共通しており、「もしかしたら自分にも起こるかもしれない」と思わせるところが、ネット怪談の怖さの理由になっています。





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