セルマとは
セルマは、ノルウェー南部テレマルク地方のセルヨール湖にすむとされる未確認動物(UMA)です。ノルウェー語では「セルヨールの大蛇」と呼ばれ、「セルマ」は親しみを込めた愛称です。蛇のような長い体に、馬や大トカゲのような頭を持ち、背中にこぶがあるといわれます。
セルマは、北欧を代表する湖のUMAとして知られ、スコットランドのネッシーとあわせて紹介されることも多い存在です。
セルヨール湖
セルヨール湖は、ノルウェーの首都オスロから西へ約200km、テレマルク地方の山あいにある細長い湖です。長さは十数km、深さは最も深いところで150mほどあり、氷河によって削られた谷に水がたまってできた湖だと考えられています。周囲を森と山に囲まれた、静かで美しい湖です。
古くからの目撃談
セルヨール湖では、18世紀から大きな怪物の目撃談が伝えられてきました。18世紀の半ばには、湖を船で渡っていた男性が、湖から現れた大蛇に船を襲われたという話が残っています。その後も、湖面に長い体やこぶが現れた、大きな頭が水面から突き出していた、といった目撃談が、地元の人々の間で語り継がれてきました。
20世紀に入ってからも目撃は続き、何人もの人々が同時に湖の中の怪物を見たという報告もありました。
国際的な調査隊
20世紀の終わりには、スウェーデンなどの研究者による国際的な調査隊が組織され、セルマの捜索が行われました。調査隊は、ソナー(音波探知機)や水中カメラ、水中マイクなどを使って湖を調べ、湖の中の大きな影や、不思議な音をとらえたと発表したこともありました。
しかし、セルマの存在をはっきりと示す証拠は見つかりませんでした。湖の水は暗く、深いところまで見通すことが難しいため、調査は簡単ではありません。
セルマの正体は?
セルマの正体としては、大型のウナギやカワウソ、泳ぐシカ、流木、波の見間違いなどが考えられています。細長い湖では、風によって湖面に長い波の筋ができたり、離れた場所を進む船の波が、湖面を泳ぐ生き物のように見えたりすることがあります。
また、何匹ものカワウソが一列に並んで泳いでいると、こぶのある一匹の大きな生き物のように見えることがあり、世界各地の湖のUMAの正体として考えられています。
町のシンボルとしてのセルマ
セルヨールの町では、セルマが観光のシンボルとなっており、湖のほとりにはセルマの像が置かれています。町の紋章にも、湖の大蛇が描かれているといわれます。セルマは、恐ろしい怪物というよりも、湖の町を代表する楽しいキャラクターとして親しまれているのです。
北欧の湖と海の怪物
北欧には、湖や海にすむ怪物の伝承が数多く伝わっています。アイスランドの湖にすむとされる大蛇ラーガルフリョトムリンや、北欧の海に現れるという巨大な怪物クラーケン、海の大蛇シーサーペントなどです。深く冷たい北欧の湖や海は、人々の想像力をかき立て、さまざまな怪物の伝説を生んできました。





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