ユミルとは
ユミルは、北欧神話で天地が生まれる前に最初に現れた生き物とされる原初の巨人です。霜の巨人(ヨトゥン)たちの祖先にあたり、アウルゲルミルという別名もあります。その物語は、スノッリ・ストゥルルソンの『スノッリのエッダ』や『詩のエッダ』に記されています。
ギンヌンガガプとユミルの誕生
世界の始まりには、何もない巨大な裂け目「ギンヌンガガプ」があり、その北には氷と霧の国ニヴルヘイム、南には炎の国ムスペルヘイムがありました。ニヴルヘイムから流れ出た氷が、ムスペルヘイムの熱にふれて溶けたしずくから、ユミルが生まれたといいます。
ユミルは、同じく氷から生まれた雌牛アウズンブラの乳を飲んで育ちました。眠っている間にユミルの脇の下や足からは次々と巨人が生まれ、霜の巨人の一族が増えていきました。一方、アウズンブラが塩辛い氷をなめていると、そこから神々の祖先ブーリが現れました。
ユミルの体から作られた世界
やがてブーリの孫であるオーディン、ヴィリ、ヴェーの三兄弟はユミルを殺し、その巨大な体から世界を作りました。肉からは大地が、血からは海と湖が、骨からは山が、歯からは岩が生まれ、頭蓋骨は空となって、東西南北の四隅を四人の小人が支えているといいます。脳は雲になり、まつ毛は人間の住む世界ミズガルズを囲む垣根になりました。
巨人の体から世界が生まれるという神話は、中国の盤古やインドのプルシャの神話など、世界各地に見られます。北欧神話の世界はその後、世界樹ユグドラシルによって結ばれた九つの世界として描かれます。ユミルの名は、現代の漫画やゲームなどの作品にもたびたび登場します。
-600x450.webp)




コメント(0)
まだコメントはありません。伝承や目撃談の補足、感想など、最初のコメントを書いてみませんか?